モンチとあんなのエリザベート
先日、東京で宝塚の『エリザベート』を見に行った。
自分は毎月の宝塚雑誌の愛読者なので
『だいたいエリザベートはこんなもんだ』
という学習はしている。
ああ、女子プロレスラー朝夏『トート』まなとが活躍するんだな*1。程度。
まあ、女子プロレスラー、違う宙組トップスター朝夏まなとを見るのはもちろんだが、のっちさんが見たかったのは彼女だけでない。
全員見たいのはやまやまだが、宙組と言えば特にこの二人が見たかった。
星吹彩翔、93期男役。ニックネーム、モンチ。
風馬翔、94期男役。ニックネーム、あんな、かける。
数年前49歳友人は宝塚おとめを見て、彼女らの顔を見て吹いた。風馬翔はそのまま。星吹彩翔はニックネーム*2も見て。
『俺、星吹彩翔と風馬翔を舞台で見たら吹く自信あるぜ』
と49歳は断言してしまった。
まあ、星吹彩翔はともかく、風馬翔はダンスの人だから!顔はそうかもしれないけど彼女のダンスも見てくださいよ!
とのっちさんは思った。
宝塚雑誌での茶目っ気ある風馬翔のイラストを見ながら余計吹きそうになるのを抑えながら。
で、『エリザベート』配役。
星吹彩翔 ヴィンディッシュ嬢
風馬翔 黒天使
え?男役の星吹彩翔がヴィンディッシュ嬢だと?これは吹くどころか疑問符が踊った。49歳はこれを聞いた時吹いた。
『あの星吹彩翔がヴィンディッシュ嬢?伶美うらら*3がマダム・ヴォルフ?劇団、いくら、小池が激務だから*4、といって小柳*5に任せて大丈夫かよ?』
うん、あの小柳奈穂子だし、役もあれだしこれだしな、見ないつもりできたが、なぜかチケットが手に入ったためになぜか東京宝塚劇場にいた。
かけるは黒天使だからほぼ別役はないとしても、モンチ、ヴィンディッシュ嬢じゃないときも女役なんだろうか、さっき急いで買ったパンフレットを見た。エリザベートの大叔父さん、カフェの男、貴族男…。なんだ男役もやるんじゃん、しかも、貴族の時は男役として歌ってるし。
オペラをモンチ探しに終始してるうちに休憩、箸休め的に星風まどか*6の子ルドルフを見たあとにいよいよエリザベートとヴィンディッシュ嬢との対決。
あ、あれ?
ヴィンディッシュ嬢を演じてる人って本職男役ですよね。
そこからなんで普通の娘役以上の美しい歌声が出るんですかね?
うん、モンチすげー
と思ってたらフィナーレでは変形燕尾服を着て踊り、ラストのパレードでは葡萄茶の貴族服でシャンシャンもって歌いお辞儀していた男役のモンチが居たのだった。
で、かけるくんについては
黒天使を演じる人が全て『白い顔に白灰色のロングヘアで黒服』のため、どれがどれだがわからなかった。
でも、休憩中で49歳が喫煙所に行ったとき、
『あの、風馬翔、今日もキレキレのダンスでよかったわ』
と49歳より年上の女性が自慢げに話していたそうで。
今度の舞台ではモンチとかけるくんを真面目にみようかと思う。ショーの方が彼らの持ち味が出そうだとは思うが、今度宙組の舞台を見るかどうかはまだ予定が立たない。
背負うのは程よくバランスよく
のっちさんは背負ってる。
通勤は紺系のカールラーベンのリュックを容量に合わせて背負い、
出張時はキャメルのKananaリュックを背負っている。
だからわたし、リュック派なんだという話ではない。
先日、のっちさんは骨髄移植の最終面談をうけた。
コーディネーターが二人に増えていた。
骨髄移植移植の最終面談だから。
のっちさんが最終承諾書にサインして印鑑押せば骨髄移植ロックオン。用事とかイベントに参加したいから日程変えてとは言えない。
もうひとりのコーディネーターは、のっちさんの理解度を確認するためにやってきた。
理解できずにやってその後激怒、という事態を避けるため、とのっちさんは認識した。
二人のコーディネーターとのっちさんは診察室に入って医師を待った。
医師が来た。のっちさんのコーディネーターが、医師の補足を受けながら骨髄移植の概要を手持ちのドナーブックを参考にして説明する。
のっちさんはちょこちょこと質問する。
医師はそれに笑いながら回答してくれる。
ちなみに体のことについては
『暴飲暴食は避けてくださいね』
『激しい運動は健康診断や骨髄移植直前直後は避けてください。休日に一万歩*1歩くのは言語道断です』
『腰に負担はかけないでください。注射とか鍼はやめてください』
『治療するような状況になったらコーディネーターに連絡してください』
という感じである。
さて、最終承諾書にサインと押印。
「あのう、日程はもう確定したってことでいいんですよね・・」
とコーディネーターさんが話した。
上司らに話したのは予定の日程として話しただけ。やばい。
病院の玄関口に出て会社に電話する。しかし電話口に出たのは同僚だった。
「あのさ、(骨髄移植を実施する数日間*2)休み取りたいんだけど大丈夫?」
「うん、ぼくらだけでも大丈夫だと思う。上司今いないから確認して連絡するように伝えるね」
その後、上司*3から骨髄移植の日程について休んでもいいという許可を得た。そしてサイン。押印。これで骨髄移植への最終段階のスタートを切った。
これでのっちさんには骨髄移植希望者の命が預けられた。これから金が無いと言わず体調に留意することを大事にしなければならない。
あ、親も面談すること、忘れてた。
のっちさんの親もその一週間後、『○○大学病院』で面談とサイン。
親ものっちさんが入院することを見越して計画もたてている。のっちさんには親の期待も背負うことになった。重い。そっちの方がずーっと重い。
リスクは一つにしても分けてもヤバい
のっちさんは最近までクレジットカードを一つしか持っていなかった。
最近までは財布一つの丼勘定で何とかなっていた。
しかし、お金がたくさんあると、なんでもできると思うのが人情。
その甘さでお金を使いすぎ二度ほど痛い思いをした。
そこら辺の中身を詳しく書くと金持ってるぜ自慢話になりそうなので割愛するが、のっちさんは4枚のキャッシュカード、3枚のクレジットカードを持ってる。
・メインカード(キャッシュカード及びクレジットカード)
給料及び会社絡みの入金口座。居住地外の銀行。かつクレジット払いができる定期光熱費及び娯楽費支払い用。
ここを主に使っているが、大金が入ると見境がなくなることが経験上判明。
・仕送り用(キャッシュカード)
学生時代から使っているゆうちょ銀行口座。親向け送金用。月定期だけでなく、彼岸、法事、お盆の時期には別途送金が発生する。
・サブカードその1(キャッシュカード及びクレジットカード)
居住地の銀行口座。
宅配生協支払い及び地銀支払い専用の水道費と新聞費引き落とし用。
水道費は1年ぐらいはコンビニやら金融期間で支払った記憶があるが、めんどうかつ、宅配生協始めたのでそっちの口座を生かしたクレジットカードも作成した。
が、それだけである。クレジットのポイントが順調にたまるわけではないので恩恵はあまりない。
・サブカードその2(キャッシュカード及びクレジットカード)
居住地の銀行口座。もちろんサブカードその1の口座とは違う。
これは帰省を含めた旅行支払い専用として使って行く予定。
のっちさんは旅行が好きなので、当初旅行積立を考え実行したものの、旅行券が来た後、使うのに腰が重くなりタンスの肥やしになりつつある。しかも格安のネット予約分には使えない*1、もしくは、使う場合は郵送しなければならないといっためんどくささを感じることになった。
そんなんなら、移動費(及び諸雑費)にかかるカード作って毎月積み立てればよくね。という結論に至った。
航空会社のカードなら使えばマイルたまるからそっちにしよう。
てなわけで、実家の空港で運行してる航空会社にJRを絡めたカードと契約した。
今回はいつもメインで使ってるカードではなくサブカードその2を持って東京に向かってるわけです。
ええ、サブカードその2をついさっき使ったんですが、何に使ったかというと1000円のスカーフ…
サブカードその2もゆうちょ銀行の方が良かったかなあ。今、ゆうちょ銀行って口座複数持ちできるよね?
ドナー終わったら、まい泉のヒレカツサンド食べるんだ
まつらいさん、こと松来未祐(まつきみゆ)さんという声優さんが居た。
まつらいさんは大学進学で東京に出て、その後、声優活動を始めた。当初は本名で活動していたが、姓名判断で『松来未祐』に変更して活動した。
初見では、松来未祐って名前を見て可愛いなあだけだったが、ネットのアニメファンたちが
『結婚できないまつらいさん』
と言っており、思わずウィキペディアで彼女の項目を確認した。のっちさんと同い年だった。
それ以降、後輩、年下の女性声優が彼女を追い越し結婚するたびに、『まつらいさん結婚まだ?』というネタが吹き上がり、最近はSNSで『松来未祐』がホットワードになったときは『松来未祐以外の女性声優が結婚したとき』という事態ということも認識した。
彼女の活動をあまり知らない自分も、彼女が去年の夏に休業するまでは他のアニメファンとともに『まつらいさん結婚?』ネタに笑っていた。
その年の11月、SNSのホットワードに『松来未祐』が上がり、また結婚ネタかよと思って見たところ、
あのまつらいさんが死ぬなんて嘘だろ
という書き込みであふれていた。
まあ、伝聞だけなら信じないと思っていたが、彼女の事務所のトップページのリンクを貼り付けた書き込みがあったのでリンクに飛んだ。
リンク先には彼女が亡くなったことが記載されていた。
休業から4ヶ月後の話だった。
その後、家族は彼女の死因を公表した。
これは通常なら排除できるはずのEBウィルスが、何らかのきっかけで活動を始め、最悪の場合…
説明の字面しか見なかったのっちさんは、膠原病みたいなものと認識した。
が、数ヶ月後、慢性活動性EBウイルス感染症は骨髄移植で寛解する可能性がある、という記載を読んだ。
もしかしたら、自分がまつらいさんを救えたかもしれない。
そんな仮定の話をしたところでまつらいさんが蘇ってくるわけではない。むしろまつらいさんを蘇らせるなら、まつらいさんの過去作品をじゃんじゃんみるべきだし、まつらいさんと同じように骨髄移植を待っている人を助けることが先決。
まつらいさんが最後に書いたブログには最後のお誕生日会の様子が楽しく書いてある。
その中に、病気が完治したら婚活始めるんだ、とこっそり書いてあった。
それを知ってか知らずか彼女の死の後にネットのとある掲示板に
『まつらいさんは神様と結婚したんだ!』
という書き込みをみつけた。
きっとそうだと、私は心の中で泣いていた。
仙台と名取の世を彩って
仙名彩世さんが、花組トップ娘役に内定した。
彼女の芸名や彼女の最終出身校を見る限り、2008年入団の94期の首席というのも納得している。
が、正直トップ娘役になるとはピンと来なかった。
彼女をちょっと気にし始めたのは、
2011年「ファントム」の新人公演で「カルロッタ」をやることになってから。
本役は花組のベテラン最年長娘役*1。ファントムの中で特に毒や癖が大きい役を優等生の彼女に割り振られたことからより彼女に興味を持つようになった。
彼女を生の劇場でみたのはいつだっけ。
最初は2012年の11月のバウホール公演「Victorian Jazz」。
一期下の下級生男役王子*2をたぶらかす女優さんやってた。
王子に気のある振りをしつつも、利用価値がないとわかれば豹変して捨てる。その割り切りを軽妙に演じ、まだ新人公演年代だけど、骨あるジェンヌさんだなあ。と思った。
で、2度目は2013年5月の「オーシャンズ11」。
彼女はショー司会者の後ろで歌う3人娘の一人。これはよく頑張ってたなーぐらいしか覚えてない。
3度目は2014年11月の「エリザベート」
演目を聞いてのっちさんは彼女にヴィンディッシュ嬢かマダム・ヴォルフを演じて欲しいと欲しいと固く願っていた。
娼館のボス、マダム・ヴォルフは歌唱力勝負、自称エリザベートとして病院に暮らすヴィンディッシュ嬢はそれに加えエリザベートと対峙できる演技力も必要となる。
「ヴィンディッシュ嬢 仙名彩世」
とあった瞬間これは見に行かねば、と心に決めた。
観劇。彼女はヴィンディッシュ嬢以外にもエリザベートの親戚やら市民やらを演じていたが、ヴィンディッシュ嬢としてエリザベートに対峙した姿はエリザベートを食っていた。
そして、最後の新人公演ではエリザベートを叩きのめす姑ゾフィー。これもカルロッタ同様本役はベテラン最年長娘役。本役はこれを最後に宝塚歌劇団をやめてしまう。
結局、トップ娘役の条件でもある新人公演のヒロインをやることなく彼女は新人公演の期間を終えた。
いいよ。彼女がトップになれなくても。この本役さんみたいに彼女はトップ娘役に絡んで印象に残る役をたくさん演じることができるならそれでいいよ。それからはそんな心境で彼女を見ることとなった。
そして、4度目は今年の全国ツアー『仮面のロマネスク/Melodia』仙台公演。
劇『仮面のロマネスク』では、主人公からことごとく玩具のように扱われ良心とともに崩壊し舞台から消えていく既婚女性、ショー『Melodia』では歌やダンスの柱、そして最後のパレードの先導役。地元だからだろうと思うくらい彼女は活躍していた。
終了後のご当地ジェンヌ紹介で客席の『ゆりな/ゆき*3』うちわが10個ぐらいはためいていたのを見てより思った。
だが、この後彼女の名前を宝塚歌劇団のお知らせで見たのは退団者のお知らせではなく、花組トップ娘役のお知らせだった。
え?ええ?えええ?新人公演ヒロインの件は?小劇場ヒロイン三回ぐらいやってるからいい?小劇場の時も癖あるパートナーと組んでたもんなあ。
で、今の花組トップ男役。本人はインタビューでは明るい少年のキャラクターだが、劇になると舞台に鬱積した闇を広げていく。その闇と向き合える娘役として彼女が選ばれたに違いない。
多分、短い期間だろう。
よーし、来年の花組の大劇場公演を楽しみしよう。
人は思い入れのあることはずっと覚えている
コーディネーターさんに、親については実家近くの病院で面談を行いたいと行ったところ、スケジュールが間に合わないので、実家の県庁所在地にある病院のどれかで受けて下さい、という連絡を受けた。
それを受けて親に、親たちが面談することになるだろう病院のリストを送った。
その後、親に連絡を取ったら
「いやー、○○大学病院*1なんて、おばあちゃん*2が入院していた病院じゃない、懐かしいわ」
あのねー、○○大学病院に行くって決まったわけじゃないんだけど。
リストのどれかで面談することになるんだけど。と親に言いまして納得してくれた模様です。
というか、40年前も昔の話をするより、20年前に娘が○○大学病院に数回通院したことを忘れてません?
とは敢えて言わないところにのっちさんの弱さをわかって欲しい。
言ってみた
1,職場に言ってみた。
直属の上司に骨髄移植ドナーになることを今後のスケジュールと合わせて説明した。
「人事関係の責任者にも言ってみたら?」
そこで人事関係の責任者らを別室に呼んで直属の上司と同じように説明した。
結論:仕事が間に合えばドナーやってもいいよ。
直属の上司に話したところ、納得してくれた模様。
2,コーディネーターさんに言ってみた。
家族も職場も自分がドナーやること許可を得ることができたことを伝える。
家族との面談の日程調整に入った。
家族と同席しない面談の順番はのっちさんが先、翌日以降に親。
親用に実家近くの面談病院をコーディネーターに紹介した。
そして、
「あのう、10月になったら東京に出張がありまして、最終日が午前中で終わるみたいなので最終日の午後に東京で面談を入れて貰うことできませんでしょうか」
コーディネーターは難色をしめした。
県外で面談やら骨髄採取をするなら、県外の別のコーディネーターと調整することになるからだ。ましてやのっちさんの実家と関係ない東京。
結局、のっちさんの面談は現在地ので受けることにした。そして、同じところで骨髄採取を行うことに決めた。
骨髄採取にかかる入院スケジュールもちらっと教えてくれた。
3,親に言ってみた。
面談のスケジュール、骨髄採取病院と入院スケジュールを伝えた。
親、のっちさんところに乗り込む気マンマンだ。