そんな小さな野望なんて
家族の支えを元に、のっちさんはある野望を実行しようと考えていた。
のある野望って何?と言われそうだけど、なんてことはない。
のっちさんの職場では有給休暇と別にドナー休暇が取れる。
それを初めて知ったとき、ドナーをよりやってみたいと思った。
職場では誰もドナー休暇を取った人間が居ない。俺って先駆者?
ニヤニヤしながら送られてきたハンドブック*1に書いてあるドナーに至るまでのスケジュールを見返す。
ドナー候補者への健康診断
(アンケート提出後2週間後、1~2時間程度)
↓
ドナー決定者の家族を含めての最終面談
(健康診断後1~2か月後、1~2時間程度)
↓
ドナー決定者への健康診断
(早ければ面談後1か月後、1~2時間程度)
↓
骨髄提供
(健康診断後1か月後、3泊4日程度)
↓
その後の健康診断
ドナーってものを軽く考えてたよ俺。
てかドナー休暇ってここまで取れるのか?
まさか骨髄提供部分のみになるのか?
と疑心暗鬼になったので次の日職場に行って
まず、一人の上司と2人っきりでドナー候補決定について話した。
上司は軽く「いいよ」と言った。
そして、休暇について職場の人事係に相談メールを送った。
スケジュールを踏まえての休暇の範囲、
そしてドナーになれなかったときはドナー休暇を有給休暇に振り替えなければならないのかを一生懸命詳しく書いた。
退勤1時間前、その返信が来ていた。
骨髄提供が終わるまでは検査も含めてドナー休暇が取れる、ということだった。
もっと時間がかかるかなと思ったがあっさり回答が来たので少し拍子抜けした。
そのメールを確認した後、書き終えたアンケートを骨髄バンクあてに郵送した。