ここまで食べなかった自分を褒めたい。飲むけど。~初めての大腸内視鏡検査 その2~
の続き。
脱落者を尻目に7人は黙々とモビプレップ*1をちびりちびり飲んでいた。ちょっとしょっぱい柔らかな柑橘系の飲み物だなあと飲んでいたが、口にまとわりついて重い。これを10セットぐらい飲むのかと思ったら重暗い気持ちになった。
モビプレップの効果はてきめんで、2~3回目からトイレに行き始める人が出てきた。
のっちさんも3回目あたりからトイレに駆け込むようになった。
うっ、まだカスがあるじゃないか。
持ち場に戻ってまだモビプレップとお茶を飲み続ける。
お腹は緩いがまだカスはある。でも、黄色い液体になってきたぞ。
6回目あたりで黄色い液体になった。説明にあったカスの無い状態だ。よし、呼ぼう。
担当がやってきて確認、OK。
「このまま控え室にいてもいいですが、食事を取らずに12時50分まで戻って下さいねー」
控え室に居てばかりだと脳みそも心も腐ってしまう、一番に控え室から出て複数のレストランの誘惑にも負けずすぐに近くの図書館に行って資料を読んでいた。モブプレップと水分の大量摂取の影響で途中何度もトイレに行ったが、資料が読めたのでよし。
12時20分、再度控え室に向かった。50分全員集合。
何人かが終わった14時過ぎ、のっちさんの検査受付。
大腸内視鏡検査用の検査着と、おしりに大きな穴が空いた紙パンツをはかされ、
のっちさんは診察台に上がった。そこには男性医師と女性の検査技師。
まずは検査方法の説明。肛門から内視鏡用の細長いカメラを入れて隣の部屋の画面から内壁の様子を確認するとのこと。基本的には痛みを伴うことは無い。事故も滅多に起こらない。もし、そこで小さな目立った痼りがあったらそこで取り除く手術を行うこともある。その場合は取り除いていいよ、とのっちさんは承諾した。入院も、その後の食事が食べられなくなることも含めて。
それでは、大腸内視鏡検査開始。
痛み止めの麻酔みたいなガスを肛門に入れてからカメラが入っていく。
大腸あたりに入ったときにじんわりとした違和感を感じた。抜いてくれえ。
「大丈夫ですよリラックス、リラックス」
と検査技師が言ったのでの我慢。しかし奥まで入れられると。
抜いてくれよ抜いてくれよと検査技師にしがみつく。
「もう少しですから、もう少しですから!」
腸の中でシャッター音が数度聞こえた。
「一応終わりましたので抜きますよ」
ひと思いに抜いてくれ、抜いてくれ!と言われても、人様の体を傷つけてはいけない。検査技師はゆっくり丁寧にカメラを抜いた。
憔悴したのっちさんは隣の部屋で結果を聞いた。
医師曰く、
「検査の結果、3mmぐらいのポリープがありましたが、放置しても構わない程度です。あと、先日の検査で見られた出血はやはり痔だったと思われます」
やっぱなー、と思いつつ拍子抜けしたのっちさんが居た。
やっとのことで食事にありつける、よかったじゃないかという気持ちも失せ、放心状態で家に帰ったのっちさんがいた。痔ダメゼッタイ。
*1:経口腸管洗浄剤の商品名
サンケンクリンはキューピーで取り扱っています。~初めての大腸内視鏡検査 その1~
12月、帰省の後に郵便物を見ていたら人間ドックの結果のお知らせが届いていた。
早速、口を破いて結果を見る。
ヘモグロビン、12。オッケー!
そこで終わればよかったが、全部くまなく見回したところ、便潜血検査で再検査要請。
おい、ドクター、痔だよ、ただの切れ痔だよ。
でも切れ痔にしては期間がずれてるよな。
翌月、ドックにかかった病院に電話し、面談の予定を入れる。
「即検査じゃなく面談ですか」
「はい、面談やってから改めて検査をします」
面談の日、のっちさんは休みをとって病院に行った。
「出血があったんですね。はい、大腸内視鏡検査」
痔です。痔です。そこまでやる必要はありません。
とのっちさんが言っても大腸内視鏡検査は確定。
2週間後の月曜に検査の予定を入れ、検査前日の心得と検査前日の食事をもらって病院を後にした。そして2週間後の月曜も休みを取った。
心得
・検査前日はこの検査食を食べて下さい。
・食べ終わったらこの下剤*1を飲んで下さい。
・検査当日は何も食べないで来て下さい。
・検査当日は1Lの飲み物(水、無糖のお茶)を持参して下さい。
検査前日。
朝。かゆと味噌汁。梅ふりかけ付。
味の無いかゆはのっちさんの大嫌いな食べ物。
スーパーニチアサタイムを流しながら食べる。
昼。紅鮭がゆ、吸い物。
味があったってかゆはかゆだし大嫌いだ。
ただ食べる。
その間に検査食に入っていた紅茶、ジュース、重湯とクッキーを食べる。
夕。コーンスープ。笑点とおんな城主直虎をおかずにして食べた。
1日1000円のリーズナブルな食事。記念食。
そして、紫の下剤を垂らした水を飲んでフィニッシュ。
次の日、
空腹と共に1Lのお茶を持って来たのっちさんはあらたな格闘をすることになった。
周囲が明らかに20歳以上上だったから、だけではない。
トイレ付の控え室のテーブルにあった8つの巨大柔軟剤詰め替え用とそのコップ。
じゃなかった。8つのポカリスエット状の経口腸管洗浄剤(2L)とそのコップ。
そこに座った7人は点呼の後、指示を受けた。
「今から15分おきにこのモビプレップ*2を200mlコップに注いでお茶と一緒に飲んで下さい。そしてトイレに行きたくなったらトイレに行って下さい。その際、出したものにカスが無くなったみたいであれば私どもを呼んで頂けますようお願いします」
1回目、7人は指示通りモビプレップを飲んでいた。
「○○さん、どうしたんですか、え、今日検査あることを忘れていた?検査食も食べていない・・・?また改めて予約取って下さいね」
事務室からそんな会話が聞こえていた。
(余談)
のっちさんが食べたサンケンクリンシリーズはこの検査の後、4月からキューピー株式会社で取り扱うことになりました。
続きはこちら。
闇に巻かれたルドルフは砕け散る
知人のフェイスブックアイコンが変わった。
前までは趣味に打ち込む知人の写真だった。
久しぶりに彼のアイコンを見たとき
誰こいつ?
と思った。
癖毛を軽くした髪型にまゆを細くしTシャツを着た男性写真のアイコン。
こいつ初老過ぎてるよな、若作りしやがって、
いや、彼の学生時代か?でもそのころにに明らかに存在しないものもアイコンに写ってるし。
てか、彼の子供か?年齢的に10代のの子供居てもいいけど、子供の話なんて聞いたことねえぞ。もしその場合無断でやったとしたら即軽蔑するけどな。
じゃあ、彼女か?彼と似たような顔の女の子もいることだし、
と彼のアイコンを真剣に見た。
やっぱり、中年男の顔だ。
だって目元の皺が若い子より多い。
そのシワのみならず、仕事や急激な体の変化で陰影が深まった目元からはお前近づくな、俺は闇の世界と契約したからな感があふれている。
彼の目元からエリザベートのナンバー「闇が広がる」のサビが頭に広がる。
オーストリア皇太子ルドルフが父親である国王ヨーゼフのやり方を異議を唱えるものの、聞き入れてくれない。そこにトートが入って「ルドルフを目覚めさせる」ためにトートとルドルフが歌うのがこの「闇が広がる」。
歌いきったルドルフは俺こそ皇帝になる身だーと、反体制側から祭り上げられて玉砕。そして自爆。享年30歳。
まー、確実に年上の彼はルドルフみたいなことやらんだろうなーと思いつつ今日も彼のアイコンを見て闇が広がるを熱唱するのっちさんがいるのであった。
朝夏さんの生命力(ただし舞台上)
朝夏まなとを最近まじめにみた。
某アイドル*1が
「きゃー朝夏まなとさんかっこいい」
と宝塚に通いつめるほどのファンとは聞いていたが、正直朝夏まなとのよさは分からなかった。一言で言えばリアルで見たことない。
映像ではトップになるまでの彼女は優等生。
どんな役でもそつなくこなす。
だから、彼女に強い印象はない。
トップも順当だし、このまま彼女をリアルで見ることは無いな、と思ったが、ちょうど彼女が主演のエリザベートを見ることになった。
見た。
朝夏まなとの黄泉の帝王トートは不死身だった。
黄泉の帝王、すなわち死神は死の気配から生かされて不死身であるのだが、朝夏トートはトートの内面から湧き上がる生によって不死身であるという設定のようだ。
その上、体に厚みがあるせいか、余計、生への希望やら執着が溢れていた。
前回のエリザベートでトートを演じた明日海りおは線が細く、背中で哀愁を漂わせてたので明日海の方がずっと「死」のイメージである。
その上、明日海は心に闇を抱えた人間を演じられるのが強み*2なので、その反対の朝夏にとってトートは苦戦したんじゃないかと思う。
エリザベートが終わり、朝夏も新しい舞台の稽古に入っている。今度彼女の舞台を見るなら、明るい舞台。コメディに限定せず生きることの強さ素晴らしさを表現するのが見たい。
例え暗い話でも、救いようがない闇の世界に堕ちかけてもその生命力の強さで光へもどる朝夏の姿。
ラ・ヴィータ!
そう叫びたくなる舞台をこっそり待っている。
(余談)
生命力溢れる主人公と言えば元花組トップスターの蘭寿とむ。と言ってしまうのは私だけでしょうかね。彼女も新人公演でトートやってますしね。*3
すみれとさくらと
埼玉の49歳が変だ。
49歳にも関わらず、 BABYMETALにはまった。
「BABYMETALって『さくら学院』の卒業生だよね」
とさくら学院にもはまった。
その上、 先日宝塚のエリザベートを見せたら
「あの娘役を飛び越えて弾けてたマダムヴォルフよかった」
挙げ句の果てには
「俺、池田泉州銀行で口座作るわ」
池田泉州銀行と言えば1970年代から宝塚歌劇団娘役スターを広告に使い、現在はマダムヴォルフを演じた伶美うららがそれを担っている。
しかも、最近は「すみれの花定期預金」という宝塚ファン殺しの定期預金を設定したところである。
「でさー、この定期預金、お預け金額が100万以上じゃないと無理なんだけど」
と49歳にふったところ
「大丈夫。金はさくら学院のグッズに注ぎ込むほどあるから。でも、大阪まで行かないと無理ー」
「大丈夫だよ、東京の二重橋前駅近くにあるから」
と伶美うららにお金を流し込もうとする49歳の背中を後押しした。
さて、今月号の歌劇の裏表紙。
すみれの花定期預金の上に「宝塚歌劇チケットがあたる」 と書いてある。 それに
「年間1000組2000名さま
毎月の抽選で宝塚歌劇にご招待
(毎月20組合計240組、池田泉州銀行貸切公演2公演*1合計760組)」
「3年継続してお預け入れの場合は抽選権が2倍になります」
と書いてあれば余計大階段を前に微笑む伶美うららにお金を注ぎ込む49歳が見える。
しかも、伶美うららが次期トップ娘役にリーチをかけている今のうちに口座をつくることに価値がある。善は急げ、 しかし
「俺、今度いつ平日休みとれるかわからねえ」
と49歳はぼやいたのであった。
ちなみに、池田泉州銀行のフェイスブックをたどったら、 伶美うららのことや宝塚のことよりも、 サッカーのなでしこリーグの セレッソ大阪レディースのことが多かった気がする。
*1:予定だそうです
せめてバックには真っ赤な薔薇の花を
1か月以上書いてなかった。
そんなのっちさんでも健康のため年1で人間ドックに入る。
血液検査とか、肺活量検査とか、あらどっかで受けたなと思いながらもまた受けてきた。
人間ドックを受け終わり、意気揚々と移動した。順調だ。
と思った翌朝、異変が起きた。
トイレでいきんだ後、紙に赤いのがついている。血。
確かに固かったから・・・と思ったが、血が出てる部分を拭き取った。
いぼだ。いつも月一で確認できるいぼよりデカい。
休み時間、「(のっちさんの居住地) 痔」で検索かけているのっちさんがいた。
検索の結果、のっちさんの居住地には肛門科専門病院があった。
電話した。「予約はいりませんので身一つで来て下さい」
すぐさまその病院に駆け込んだ。
初診であることを告げたら問診票を書かされ、男だけ数人の待合室で待つこと10分。
呼ばれた先では若い女性が待っていた。
彼女の隣にはベット。頭側には枕、足側にはこまごました器具。その上にモニター。
頭側の壁に絵があった。
背を向けて横になった人間の絵。両足を曲げた下半身はズボンを下ろして丸出しになっている。
ああ、そういう姿で受けるんだなあと思った時、彼女はタオルを持っていた。
その絵よろしくズボン降ろして横になれってことだな。
のっちさんはズボンを下ろし横になった。タオルが腰から下を覆うように置かれた。
彼女と歓談しながらこのまま待っていろってことだな。
と思いきや、「まず写真撮りますよ-」
彼女はタオルの下からのっちさんの患部を消毒し、
性器部分に紙か脱脂綿を覆ってから彼女は写真を撮った。
医者がとなりの診察室で低く高らかに歓談してる声を聞きつつ、
のっちさんは待っていた。
そしてしばらくしてから医者がやってきた。
医者だ。50はとうに過ぎた白髪の親父だ。
医者は問診票を見た。
「人間ドックを受けた後に痔が悪化したんだねえ。ああバリウムねえ。」
ふと数日前の自分を思い出す。
胃腸を見るバリウム検査は1年ぶり。絶食、口当たりの悪いバリウム、そして数分間の回転。げっぷも出さず受けきった自分に尊敬する。
その数日後に肛門科に駆け込んだ自分との落差。
「バリウムって胃の運動ぐらいしか見られないんだよねえ。排便も固くなるし。それよりなら食道から十二指腸まで見られる胃カメラの方をお勧めするんだけどねえ」
と医師はのっちさんの肛門の写真を撮りながら話していた。
写真を撮った後、のっちさんの肛門に何か冷たいものを突っ込んだ。
肛門を温めるために5分間耐えた。
診断 「嵌頓痔核」 痔核(いぼ)内に血液の固まりが多数でき、浮腫も重なり肛門から飛び出しているため腫れと痛みが強い。
医師から貰った「嵌頓痔核」4連写の画像には確かに小豆状の血豆がある。
そして今後の治療予定。
・毎日入浴するように
・処方された飲み薬、差し薬(軟膏)、付け薬を定期的に付けるように
・肛門冷却(ポスクール)療法*1
・排便は3~5分で済ます。
わかった、とのっちさんは診察を終えた。*2
で、ここ最近ののっちさん。
血豆が破けたせいか、お風呂に入る気力もなくなった。
そのかわり尾てい骨の上にカイロを貼ってなんとか血行をよくしている。
湖を見失った白鳥は
2週間前、のっちさんは異様に高揚していた。
骨髄移植、初めての入院。誰でも体験できないようなことに心躍らせていた。
その時の血液検査で血中のヘモグロビンが低いと言われても
まだ未知の体験への希望はつないでいた。
そして、その1週間後、血液再検査をした後に医師からこう言われた。
「大変申し訳ありません。ヘモグロビンが前回より低くなってます。この血液状態だと骨髄移植はドナーの健康状態から見て危険です。一年間ドナーコーディネートは保留という形を取らせていただきます」
直後、のっちさんは目の前が真っ暗になった。
つまり骨髄移植終了。
空から真っ逆さまに突き落とされた感じだった。
病院から出て、会社にも報告。それから改めて休暇を取った。
それからデパートで彷徨った。
デパートの商品群が自分に買って買ってと微笑んでいるように見えた。
本当なら、この中の一つ、骨髄移植ガンバレわたし、で買ってたのになあ。
泣きたかった。
いつもはヘモグロビンは平常なのに、なんでここぞとばかりに平常以下の数値が出るの?だれのせいでもないけど、悔しかった。
ふらふらと彷徨った先に「傾聴ボランティア」なる小部屋をみつけた。
思わず入ってしまった。
そこには2人のおばちゃんが話を聞きたそうに机で待っていた。
そしてのっちさんは話した。会社のでのダメっぷり。わたしなんか居ない方がいい、仕事がもっとできるようになりたい、と恨みたっぷりに話していた。そこから、おばちゃんたちが言った。
「大変ねえ、あなた、休みにやるような趣味があるの?」
趣味。ありますあります。マニアックですけどねー。
と勢いよく喋り続けたら、2人のおばちゃんは私の顔を見て
「あなた、さっきの会社の話と打って変わってめがすっごく輝いてるわね」
と。
え?え?
結局おばちゃんたちに励まされて1時間ぐらい話していた。
少しは気分よくなったようだ。
と言うわけで、貧血症状発覚なのでドナーは1年間お預けです。
でも、ドナーコーディネート再開までにヘモグロビン値を女性の正常範囲まであげておく
という目標もできた。
次の日、ずっと行きたかった職場近くの飲み屋に行った。
たらふく食べてガンバレ私と心の中で言い続けた。今度はドナーになれるといいね。