銀色の、はるかな道

うだうだを、うだうだと。(基本 週1更新)

就職のためには実家を出なければならなかった

今日、ドナー選定のお知らせの書面を貰った。

その中に

「ご家族が遠方にお住まいの場合は、ご本人とは別に他地区で面談することも可能です。その際は、ご家族間で十分お話し合いいただき、コーディネーターさんまたは事務局にご相談下さい」

という記載があった。うわー、これで実家に帰らなくて済む!

・・・ところで、のっちさんと家族がこれに該当した場合、のっちさんの面談を受けてから実家の家族が面談するってことになるんだよね。

よし、確認しとこう。

 

その後、親から電話が来た。

「のっちちゃん、入院はじめてでしょ?ママすっごく心配だから1週間ほどのっちちゃんのとこに居候しようかと思って」

やめろー!片道2万円*1かけてくるのかよ!

それなら実家近くの病院で骨髄移植してやるよー!

は、そうなると骨髄移植の1か月前健康診断はその実家近くの病院で受けるのか。

頭を一生懸命かきむしるのっちさんがいた。

 

(2016年9月27日 追記)

やはり、骨髄移植ドナー本人と家族が別々に面談を受けるときは、

本人が受けた次の日以降に家族が受ける、とのことでした。

*1:最低ライン、この交通費は完全自腹と思われる

早っ!

夕方、のっちさんの電話が鳴った。コーディネーターさんからだ。

「ドナーの件ですが」

ああ、ごめんなさいだな

「選定されました」

え。とすると、家族と面談しなければならない。

面談して健康診断して提供か・・。

家族と先日会ったばかりなのにまた逢うのか。

というか今不安なのはお金より仕事だよ、しかも一週間研修が来月入ってるからそれをなんとかキャンセルしよう、と考えていたことは言うまでも無い*1

*1:多分無理

遠くからのお手紙

先日、コーディネーターさんから電話があった。

先日のドナー健康診断の件。候補継続の模様です。とのことだった。

ドナー健康診断、と言っても血液検査だけであるが、血液検査の部分は一般より厳しいにも関わらずクリア。ってことらしい。

その次の日、郵便受けに往復ハガキの片割れが入っていた。

先日、締め切り前にむしゃくしゃしてカッとなって応募したのど自慢のハガキだ。

「のど自慢。申し訳ありませんが、今回予選に漏れました」

あー、のど自慢予選行けないんだね。ちょっとショック。と思いつつもドナー候補継続だからいいかな。

その血液検査の結果も届いた。血色素量 (ヘモグロビン濃度)は12g/dL以上。

意外とのっちさんの体は丈夫なんだなあと確信した。

ちゃんと食べよう。毎日卵最低一つ、肉も野菜も適量に。

腐らせるな冷蔵庫の食材。金欠に負けるなのっちさん。

なにか雑音が入ったようだが気のせい、気のせい。

秋は人事の準備の季節とあなたは言った

のっちさんは一応社会人である。

そのため、休みをとると仕事のやりくりもしなければならない。

そして、のっちさんには転勤とか人事とかもついてくる。

そんなある日、ある上司からのっちさんが呼び出された。

 

のっちさんは3つの課にまたがって仕事をしている。

のっちさんの直属課、のっちさんの仕事場の課、なぜかのっちさんの席がある課、

この3つの課を行き来してのっちさんは毎日過ごしている。

今回呼び出されたのは直属課の上司。転勤や人事を司ってる課でもある。

2人きりになった時、彼はいきなり、こう切り出した。

「のっちさん、その後、病院通院はどうなったの?」

あー、確かにほぼ毎月通院する症状*1はある、それに骨髄提供ドナーも重なってしまったなあ、ということで彼にもドナー候補であることを告白。

彼はその件はふーんと聞き流し毎月の通院のことだけを気にしていた。

これから人事希望届を書かなければならず、それには通院歴も書かなければならない、それで彼は面談を実施したのだった。

 

その後、のっちさんは人事希望届けに通院の話と骨髄提供ドナーの話を書いた。

そして、「ドナーが終了するまで転勤させるな」とも書いた。

それね、ドナーの骨髄採取病院とその後の健康診断の受診先は同じ病院になる*2、ってコーディネーターさんが言ってたからね。

 

*1:といえども、この症状で薬の指示をもらったことは一度もありません。ドナーにとって服薬が危険な場合もあります。

*2:その前の健康診断の受診もその病院で行います

月一度のせ(以下略)

9月初旬、きちんと来ていた月経が終わったので、

www.taisho.co.jpを飲んでみた。寒くなったのでルイボスティも飲み始めた。

 

1週間後、不正出血が発生。

そしてエリスクリニクス使用するぐらいの出血が続く。

nocchi77.hatenablog.com

・・・・うん?

 

結婚出来なかったまつらいさんのかわりに

明日、骨髄バンク協賛イベントが東京で開催される。


松来未祐さん愛悼イベント 39!未祐ちゃん

この日東京にいるから参加しようかなと思ったし、別用事とバッティングしたため参加を断念した。

 

その代わりイベントに参加するみなさん、

 

楽しんでください!

物販や寄付にお金落としてください!

そして、余力があったら献血やドナー登録してください!

 

まつらいさんと同い年ののっちさんからのお願いは以上。

 

健康診断は空腹必須か否か、その確認が必要だ。

9月。
ついに骨髄ドナーの健康診断をすることになった。

場所は郊外の病院。
職場のみんなにはドナーであることは一部を除いて公表していないため、事情を知らない人々は有給で1日休めという優しさを見せていた。 

のっちさんは困る。
職場から郊外の病院に行くと一本で行ける、が、のっちさんの自宅から行くとなると乗り継ぎ運賃がプラスされる。
で、それを払うのは骨髄バンク。のっちさんも優しさが働いた。
結果、行きは会社から病院へ。帰りは病院から自宅へ。つまり会社には定時出勤の早引け。

のっちさんはみんなに見送られ病院に向かった。

 

病院に向かった時、のっちさんは空腹を感じた。
お昼前。食べたい!食べたい!
空腹のあまり挙動不審になりつつコーディネーターの女性を探した。
『黄色い封筒もってます』
空腹なので思考回路も省エネモード。受付の人に聞く、ボランティアの女性に絡みそうになる。空腹やべえ。

 

そうしているうちにコーディネーターの方が来た。
まず、今日の日程詳細の説明を受ける。
ドナーハンドブックに基づく説明、1時間。
その後身長体重血圧、血液検査、1時間。
そこで思わずついて出た言葉は
『今、お腹空いてるんですけど、この検査って事前の食事はだめでしたっけ…』
コーディネーターは
『あ、言うの忘れてた。食事は大丈夫ですよ。食べてからやりますか』
のっちさんは大丈夫です、診断が終わってから食べますよ、と言ったらしい。

 

最初はドナーハンドブックの説明について。
『はいはいわかります、大丈夫です、すっとばして健康診断にいってもかまいません』
と、空腹は言わせようとするが、そこはぐっとこらえ説明を聞く。

 

のっちさんは今回骨髄提供のみ希望。骨髄移植の必要性、骨髄移植で重要な白血球のHLA型の話から本日の健康診断、ドナー決定の最終面談、決定後の健康診断、骨髄移植

骨髄移植で、のっちさんは麻酔時気道確保の巨大鉗子写真を見せられた。
無理です、わたしむせます、
と言った。


巨大鉗子を気道に入れて麻酔するもんだと思ったらしい。大丈夫、麻酔は点滴でやるから。その後に鉗子で気道を開く。

ほっとしたのもつかの間、骨髄移植のために事前に自分の血液を取って輸血することもある。
『すいませんこの輸血の後で献血できなくなることってありますか』
自分の血液の輸血だから大丈夫。

骨髄はもちろん骨の中にあるが、いくら太い注射針でも5ミリリットル程度しか採取できない。いくら太い骨が腰の部分にあるとしても、両脇二人掛かりで何度も何度も*1取る。
腰骨の注射針は角度を変えつつ何度も骨髄を狙う。
『その、骨髄採取のために何度も針をさした結果、骨がもろくなることはありますか?』
あとで医師に聞いてください。

 

ちなみにのっちさんが一番ショックを受けたのは骨髄採取日の入院二日目の絶食、浣腸、尿道カテーテルよりも、骨髄採取後は取り敢えず仰向けになってもらいます*2。後元気になったから、売店などにうろうろしないでね、という注意の方だった*3
また、骨髄採取で遺伝子情報も知ることができるらしい。お願いしますと言いそうになったが、これは決まってからの我慢。

 

ここで医者登場。問診開始。
持参していたお薬手帳を見せる。
そこで医者はある記載に気づく。
『あれ、皮膚科に通ってたんだね』
『当時強いアルコールに触っててかぶれたんです』
献血の消毒液でかゆくなる?』
のっちさんが頷いた後に医者はコーディネーターにアルコール過敏の確認を依頼した。

コーディネーター退出。

問診に戻る。
『で、お酒は飲むの?』
『飲めることは飲めますけど、食べ物と一緒じゃないと無理です。後、飲んだ後鬱っぽくなります』
『アルコール過敏な人は酒も弱いはずなんだけどなー』
医者は笑っていた。

 

『後妊娠』
『ないですっ』
『ピル』
『今はないです。生理が止まった時にピルか漢方か迫られて年齢を考えて漢方を選んだので』

 

ここでのっちさん。
『遺伝子情報が通知されるってことですが、うち祖母がリウマチだったんですけど、それがわかりますかね』
『遺伝子情報ではリウマチが発症するまではわからないから大丈夫ですよ』
『後、骨髄採取で骨に何度も針刺すけど大丈夫ですかね』
『確かに何度も骨に指して穴があくし痛みは発生するけど、それで骨折する事はない』
『後人よりむせやすくて気道にもの入れるのが怖いんです』
『気道反射が強いようなら気道に器具を入れることより出した時にむせたりすることはあるかもしれないね』
『本とかネットみながらパン食べると詰まるんです』
『当たり前ですよ、それ』

 

医師は血圧、心音、骨髄採取部分*4の状況を確認し、異常ないことを確認した。

コーディネーターが戻り、アルコール過敏も気にする必要なし、という報告も受け、身長体重測定と血液採取して、今日は解散。

すぐさま病院の食堂に駆け込み昼食にありついた。

 

 

『最後にご飯食べたのいつ?』
『朝ご飯だったから、6時間前です…』
その1時間後、のっちさんは悠々と定食を食べていた。

*1:骨髄移植は 患者の体重*15ミリリットルの骨髄が必要になる

*2:骨髄採取後の刺し傷を自分の体重をかけて圧迫するため

*3:この記述でのっちさんがどんな性格かわかってもらえると幸いです

*4:医師によると事前に確認せずドナー決定後に傷があったことに気づかなかったことがあったため